2019/10/12 23:38

コーヒーの淹れ方についてご質問がありましたので記載いたします。
私のテイスティングは、湯温85度、豆18gを中挽き、抽出量180㏄が基本です。

良く蒸らしの時間を尋ねられますが、時間よりも豆を見ることが大切です。
蒸らしは豆の状態(焙煎度合い、焙煎からの経過、挽き目)によって変化します。
ガスの多い深煎りはいつまでも膨らみますし、浅煎りはその半分くらいで膨らみが止まります。
膨らみが止まって一呼吸置いたら次を淹れます。

始めはゆっくり注ぎ、抽出量の半分を過ぎたあたりから
徐々にスピードを上げる気持ちで、数回に分けて淹れてください。
ドリッパー内の水位が上がりすぎるのも、あっという間に通過するのも良くありません。
上から注いだお湯がスムーズに通過しサーバーに落ちる感じが理想です。
最後はドリッパーのお湯を落としきらないうちにサーバーから外します。

出来上がりが濃いようなら、豆を減らすのではなく、挽き目を粗くして調整してください。
不味いコーヒーを作る人は少ない豆を細かく挽いています。
美味しいコーヒーを作る人は豆を贅沢に使い粗く挽きます。
これは雑味を抑えながらコクを出す珈琲専門店の昔からの定石です。

味が強い場合は、その豆に対して、湯温が高い、挽きが細かい、抽出スピードがゆっくりすぎ、
逆に味が軽い場合は、湯温が低い、挽きが粗い、抽出スピードが早すぎです。
これらのことが理解できると、どのようなコーヒーでも思い通りに味を作ることが可能です。

また、上記の淹れ方は、ほんの一例にすぎません。
私が得意としているハンドドリップで淹れるデミタスコーヒーは、
30g~35gの豆を使い、抽出時間は5分以上をかけて、抽出量は70~80㏄のみです。
ベルベットのような舌触りで、いつまでも甘さと香りの余韻が続き、
高カカオのチョコレートを味わっているような一杯が出来上がります。

このデミタスは極端な例ですが、湯温、挽き目、豆の量、抽出スピード、抽出量の
バランスが整っていれば、必ず美味しいコーヒーが淹れられます。
貴方だけの一杯が淹れられますように。